井口まみ
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第54回稲田つつみ寄席 開催!

梅雨が明けてから、猛暑続き。この日も暑い日でしたが、たくさんのお客さんが足を運んでくれました。

  まずPENTAX DIGITAL CAMERA口開けは桂宮治さん。前座なのですが、落ち着いた雰囲気。「元犬」というネタです。大きな白犬が願いかなって人間になった。でも習性は変わらず、人間社会で混乱してしまうのです。つつみ寄席は2回目のとのこと。次は、昇進して来てくれることでしょう。

PENTAX DIGITAL CAMERA 2枚目は瀧川鯉斗さん。こちらも2回目です。いまは着物を着て端正なお兄さんですが、実は元暴走族の総長。それを枕のネタにしてしまうのですから、もうあんましこわくない。でも、ネタは「芝居の喧嘩」と、やくざなお兄さんたちが芝居小屋で喧嘩を始めるというもので、べらんめえがゆきかうテンポの早い話でした。

PENTAX DIGITAL CAMERA このつつみ寄席の特徴は、必ず色物がはいって、それがいつも違う趣向で、とても面白いのです。落語ばかりではやはり疲れてしまうので、これがとてもいい。今回は鏡味味千代さんの太神楽です。この方、有名な大学を出て、商社に就職してOLさんだったのですが、30歳のときにこの太神楽をやりたいと国立の養成所に挑戦。年齢制限は過ぎていたのですが特例で入学を許可され、プロになったという人です。特技は英語とフランス語が話せること。国立の養成所には同期で3人入ったのですが、残ったのは自分だけだったそうです。終わったあとの懇親会で「OLとどちらがいいですか」と聞かれて「こちらがやりがいがあります」!

PENTAX DIGITAL CAMERA トリは瀧川鯉朝師匠です。懇親会でお会いしたら身長は160センチそこそこ。43歳とのことでしたが、高座ではもっとうえの方かと思うような話しでした。ネタが「竹の水仙」。左甚五郎が宿代の代わりに竹で水仙を彫ると、お大名がものすごい高額で買ってくれるという話しです。竹でつぼみの水仙を彫ったのに、水にさして一晩したら花開いたという。左甚五郎という人はすごいですねえ。鯉朝師匠は、この左甚五郎の話にこだわって、よくやっているそうです。

次は55回のアニバーサリーです。28年間、ほんとに細々という感じで続いていますが、次はどんな趣向にしましょうか。新宿や浅草に行かなくてもこの多摩区で落語を聞ける。そんなまちづくりを続けていきたいと思います。