梅雨空を吹き飛ばすにぎやかさの稲田つつみ寄席でした
朝から雨模様。皆さん来ていただけるだろうか、と心配していましたが、なんのその。雨はしっかり上がり、「今日も笑うぞ!」と意気込んだお客さんが続々と集まってくれました。第66回稲田つつみ寄席、今回も元気よく開幕です。
前座は女性です。三遊亭遊七さん。女性の噺家さんは、つつみ寄席開始以来30年にして二人目のようです。ネタは「道具屋」。与太郎君がおじさんに言われて道具屋を店開きしますが、結局何にも売れなくって…。遊七さん、東京の観光ガイドから転身したといいますが、前座1年目はなにかとたいへんなことでしょう。がんばって!
二つ目は桂竹千代さん。つつみ寄席2回目の登場です。古代日本文学を専攻して学芸員の資格を持つ噺家さんなんて、いろんな方がいて面白いですね。ネタは「鈴ヶ森」。新米の泥棒が親分に連れられて、恐ろしい鈴ヶ森で追いはぎをしようとしますが、自分の方がこわくてこわくて、追いはぎなんてできません。竹千代さん、とても熱血で、あわくっておろおろしている泥棒さんが目に浮かびます。
つつみ寄席は3人目に色物がはいります。今回は、バイオリン漫談のマグナム小林さん。袴はいて丸メガネで、流しのバイオリン弾きという感じだったのですが、突然タップシューズを履いて、バイオリン弾きながらタップダンスを踊り出しました。圧巻は「暴れん坊将軍」!タップで馬のひづめの音をだし、バイオリンでテーマソングを弾きます。いかにも松平健が疾走しているあの光景をほうふつとさせるのです。いやあ、おおうけ。
とりは三遊亭遊之介師匠です。つつみ寄席に来ていただいたのは、なんと23年前以来。まだ二つ目のころだそうです。こういう地域の寄席がとてもいいとほめてくださいました。ネタは「三方一両損」。有名な大岡裁きです。長屋でけんかをしている様子も、お白洲で裁きをしている様子も、そこに見えるように話す落語ってすごいなあ、といつも思うのでした。
ほんとうに入場料しか収入源のない地域の寄席が細々と30年も続いているのには主催者としても驚きです。でもいつも新しいお客さんが来られ、常連さんは1時間も前から来てくださり、嬉しい限り。恒例の打ち上げでも、出演者全員と裏方さんたちで英気を養いました。次は12月を予定しています。又ぜひお越しください。