井口まみ
井口まみ井口まみ

13年かかって緑地を保全しました

2013年11月、議会に保全を求める請願を出し、まちづくり委員会で視察に行った時の写真

あまりにもうれしいニュースが飛び込んできました。13年前から取り組んでいた、多摩区西生田4丁目の緑地保全。ついに川崎市が特別緑地保全地区に指定し、確実に保全されることになったのです。

思い起こせば2011年。私のブログでは4月に住民の皆さんと取り組んでいることが報告されていますから、その少し前に住民の会を立ち上げたと思います。雑木林になっている斜面地で、周りはぐるりと住宅に囲まれていて、夏は涼しい風が吹き抜けます。この木をすべて切り払い、盛り土をしてマンションを建てる計画でした。建て方があまりにも脱法的だったため議会に3回も陳情や請願をして、このまま緑を守ってほしいと住民の皆さんが切実な声を上げていました。繰り返し事業者と交渉し、数年間で2度も設計変更を行わせてきましたが、そのうち何の動きもなくなり、この7,8年は全く放置され、不法投棄までされていました。

しかし住民は、いつ木が切られるかと不安で、保全のために手を尽くしてきました。川崎市独自の基準で緑地をランク分けする制度があり、Aランクなら積極的に保全することになっていますが、ここはあと2点でAになるBランクでした。保全のための住民組織があれば1点、緑の保全申し出を市にしていれば1点、ということがわかり、保全の申し出を行い、組織も立ち上げました。私も「ここはAランクに指定し、事業者に保全の交渉をすべき」と議会で取り上げました。ランクの見直しでAになり、繰り返し事業者にも交渉に行くようになったのです。この活動が本当に大きかった。

しかし地権者である事業者が了解しなければ保全地区には指定できません。いずれ市が買い取ることを了承し、都市計画審議会での決定が必要なのです。これら一連の作業が完了したのでしょう。ついにこの3月、特別緑地保全地区に指定されました。13年かかりました。というより、住民の皆さんは13年間あきらめず、必要な手立てをとってきたのです。

市域のほとんどが市街化区域で、緑がどんどんなくなっている川崎市。残された斜面緑地の保全は市としてもとてもがんばっていますが、開発の圧力のほうが依然強いなかで、市もそして住民もほんとうに頑張ったと思います。この13年間をねぎらい、祝賀会を開こうと思います。