名古屋市の視察その1ー保育園と市営住宅です
名古屋に視察に来ました。明日は豊橋です。テーマも盛りだくさんですが、毎回「百聞は一見にしかず」だとつくづく思います。
名古屋最初のテーマは、「公立保育園の民営化は社会福祉法人に限る」としていることについてです。川崎市にはそういう限定はありません。そもそも保育園の民営化には反対ですが、国の強引な方針で、一部は民営化せざるを得ない状況になっています。その時に、なぜ名古屋市は社会福祉法人と限定したのか。
一言で言うなら「保育の質の確保」「子どもたちの最善の利益のため」でした。社会福祉法人なら、簡単にはやめられない。市の指導監督を強く行うことができる。利潤を追求しない。それが社会福祉法人だと言うことでした。
民営化する園は6年前に発表して、途中で先生が全部入れ替わることを知らずに入園することを避ける。受託する法人は一年前からクラスに入って、そのまま担任になる。聞けば当たり前だと思いますが、川崎市はそんな配慮はありません。
こういう姿勢が、名古屋市の保育の質を決めているのではないでしょうか。285園ある、民間保育園のうち、株式会社が運営している園は.30。川崎市は150もあるのと比べて、何という違いでしょう。
数年前、川崎市では、株式会社の保育園が、ある日突然閉園して、大問題になりました。親会社の資金繰りが悪化したあおりを受けたのです。少し前に共産党市議団が調べたところでは、株式会社は人件費が飛び抜けて低く、お金が親会社に還流している疑いもありました。保育の質を高めるために、名古屋市のようなポリシーを持つことが必要だとつくづく思います。
2つ目は、市営住宅で高齢者のルームシェアという珍しい取り組み「なごや家(か)ホーム」について。2人、もしくは3人の同性の友人などと市営住宅の一室に住むものです。リビングやキッチン、トイレなどは共用。NPO法人の見守りがあります。これは絶対需要があると思ったら、事業を始めて7年。12戸のうち3戸しか入っていないとか。担当の課長さんの話では、名古屋は市営住宅の当選率が上がっていて、民間アパートの家賃も高くないために、そんなにニーズがないのではないかとのこと。いやいや、これは川崎でやればいいと思うなぁ。
名古屋市の市営住宅の募集方法もユニークで、落選した高齢の単身者の救済など、よく考えられていました。川崎にも提案してみようと思いました。
もうひとつ視察したところはこのあとで。