一般質問その4【斜面地の工事中の安全対策】
2008,07,02, Wednesday
4月、多摩区西生田で台風なみの雨と風に斜面地のケヤキの巨木が倒れ、あわや土砂崩れという事故がありました。これを繰り返してはいけないと問題点を探るうちに、いろんなことがわかりました。
ここは500平米未満のため、もっと広いところだったら必要な届けがいくつもいらないのです。まず、行政が行う許可行為が、開発許可ではなく、宅地造成許可なので、造成したあと何を建てるのかなどの図面がずいぶんいらなくなっています。また、川崎市の総合調整条例という条例にもとづいた、近隣への説明義務がありません。だから、行政もまわりの人も、いちおう書類はあって、あいさつはあるのかもしれませんが、具体的にはどういうものがいつできるのか、ほとんど知らないまま、ある日工事がはじまるということが起こりうるのです。
この場所も、宅地造成許可が出たのは二年も前。そのあと土地が転売され、行政に申請を出したところとは違う業者が、ほんとに突然、竹やぶを切り始めました。こんな斜面の竹を切ると、地滑りが起こりやすいというのは常識なのですが、そんなことはおかまいなしでした。そして心配したとおり、ケヤキの巨木がたおれてしまったのです。
ここ数年、土地代の安い斜面地がねらわれ、どんどんと木が切られてきました。それ自体が問題ですが、とにかく建物が建ってしまえば、斜面は安全にはなります。しかし工事中は、斜面地の安全対策というのはどの法律でも条例でも決められていないのです。私たちは以前から斜面地の工事中の安全対策をするべきだと求めてきました。広いところは、総合調整条例で住民説明が義務づけられていますから、そのときに、業者に説明を求めることができますが、今回わかったのは、500平米未満はなんのしばりもないのです。
そこで、質問では「斜面地に限っては500平米未満でも総合調整条例を適用し、住民説明を義務づけるべき」と提案しました。
答弁では、いまの宅地造成許可のなかで、住民への説明をきちんとするように指導しているので、それを強化して、今回のような事故が内ないようにしていきたいとのことでした。また、斜面地は、木や竹を伐採しただけで事故が起こりやすくなるので、注意するよう広報することも始めるとのことでした。
あなたのおうちのまわりで「何か始まるらしいが、わからない」と心配な山はありませんか。誰が何をするのか知らないというのは、この指導に従っていない可能性があります。斜面をいじるのは何が起こるかわからないので、しっかり監視していきましょう。ご心配があったらご一報を。