井口まみ
井口まみ井口まみ

またよけいな土地を買うのです

各会派の代表質問が終わり、予算審査特別委員会が始まっています。私の質問はこれからなので、そのまえに、どうしても報告しておきたいことを一つだけ。

川崎区の殿町3丁目の大きな空き地に、先端医療の新しい産業をおこすということで川崎市ははりきって予算をつけています。ライフイノベーションといいますが、ここに国の研究所が移転することになりました。この土地はいま、UR(土地開発機構ー昔の住宅公団)のものですが、国の施設がくるだけなのに、川崎市が30億円も出して、土地を買ってあげるのです。そして無償貸与するそうです。このお金、土地開発基金という川崎市の積立金ですが、これだけあれば保育園や特別養護老人ホームがすぐにできるのに、これまで川崎市はこうした福祉施設の土地はいっさい買っていないのです。

お金あるじゃん!3年間かけるとはいえ、いきなり30億円もぽんと出せるなんて!土地開発基金というのは、市民に必要な土地を買うためにためてあるものです。これを市民に何の関わりもないものにつかうのはもってのほかです。市議会の代表質疑で、共産党は厳しく追及しましたが、びっくりしたのは、共産党以外のすべての会派が、この土地を買うことに疑問を持たず、そのライフイノベーションに、イケイケどんどんだったのです。

だいたい、殿町3丁目を、先端医療技術開発で新たな産業興しの拠点にして、これから工場がきて、たくさんの人が働いて、巨額の経済効果が上がる、なんて夢のような話を行政が得々としていることにまず眉唾です。それは先日神戸市を視察してきてつくづく実感しています。医療技術開発の一つとして国の研究機関がくる、だから川崎市が土地を買ってあげるんだ、なんてことがどんなに道理がないか、神戸をみれば明らかです。それを、議会が手放しで押し進めるということに、背筋が寒くなる思いでした。

共産党がなければ、全く無批判にこんな無駄遣いが押し進められることになります。私たちが機会あるごとにこんな無駄遣いをやめよといっていることで、少しでも押しとどめられれば、と思います。予算審査特別委員会で取り上げる予定です。