市民委員会で登戸研究所の遺跡を視察しました
市民委員会に付託されている陳情のひとつに「旧陸軍登戸研究所の戦争遺跡保存に関する陳情」があります。昨年度一度審議し、継続審査になっており、もう一度審査することになっているので、今年度のメンバーで現地を視察することにしました。
いまの多摩区の明治大学の構内に、戦時中、陸軍が作った研究所がありました。何をしていたのか、陸軍がすべて廃棄してしまったのでまったく記録は残っていませんが、明大講師の渡辺賢二先生を中心に粘り強い調査で、当時働いていた人たちの聞き取りなどから、中国にばら撒く偽札、アメリカにむけて偏西風に乗せて飛ばした風船爆弾などを作っていたことがあきらかになりました。細菌兵器も研究していたようです。その建物が実はまだ残っています。コンクリート造りの建物は明大が「資料館」として整備することになり、今年開館したのです。明大が平和教育の一環としてこの資料を残すことに対し、川崎市がしっかりと援助すべき、というのが陳情の要旨です。
何度かこの場所には来たことがありますが、資料館になってからは始めて。雰囲気のある内装になり、展示品はとてもよく調べられている説得力のあるものでした。
風船爆弾は、実物の10分の1の模型が飾られていました。日本から打ち上げた爆弾のうち1割はアメリカに到達したと考えられているそうです。こんなので戦争しようとしていたなんてねえ。
展示を見ていくと、この戦争に大儀も何もなく、以下に無理無体なことをしていたかよく分かります。そして、そのためにどれだけ国民とアジアの人たちが犠牲になったかということも考えさせられ、こういう資料館が大事だなあとわかります。その思いを持って審査に臨みたいと思います。