井口まみ
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お母さんたちの願いが「主旨採択」されました

「川崎ではお産をするところがない」という悲鳴から、若いお母さんたちが「市の計画を見直して」「助産院をもっと活用を」と議会に請願署名を提出したのは以前報告しました。その署名がなんと5500に達し、先日、市議会健康福祉委員会で審議されました。

私はほかに仕事があって傍聴にいけなかったのですが、当日、傍聴席にはなんと子どもたちが13人も来たそうな。みんな騒がずおりこうにしていたそうです。この13人を含めて44人もの傍聴者が審議を見守りました。

いま、産婦人科医がどんどんやめてしまって、あちこちで産科が閉鎖されています。産むところがないのです。妊娠がわかったら、すぐ出産する病院を予約しないと、あとから選ぼうなんて思ったら、たいへんなことになる。これが川崎の実情です。

そんななかで助産所は、正常分娩だけに限られますが、アットホームな雰囲気で、家族と助産師さんがいっしょに赤ちゃんを迎えるという出産をすることができる所として、もっと広げてほしいと言う声が全国的にあがっているし、医師が足りない現状では、たくさんいる助産師さんの力を借りるのが合理的です。私たちも市議会で、助産所を増やせと要求しています。ところが、法律で助産所はバックアップしてくれる病院と提携しなければ分娩を扱ってはいけないことになりました。困難の元が産婦人科医師の減少なのに、むりやり提携を義務付けたことから、バックアップ施設になることを断る病院が続出。国会でも問題になり、日本共産党の小池あきら議員が取り上げたほどでした。

川崎市の出産事情が議会で議論されたのは、本当になかったことではないでしょうか。産むところがない問題を、川崎市はどう認識しているのか、助産所があれば、医師が足りないぶんを補うことができるが、そういうものとして認識しているのか、鋭い質問が出ました。川崎市は、はじめて「助産所と病院の連携強化にむけて、行政としてできることを していきたい」「市は市内の医師会や看護協会、助産師会などを含む総合周産期医療整備検討会を設置しているが、助産師会の要望があれば助産所と医療機関とをマッチングする会合を開催する」「 医療機関に対しアンケートを実施し、嘱託医療機関にどうしてなれないか、どういう支援が必要かなどの調査を行い、その結果から施策に反映できるものがあれば随時実施する」などの前向きな答弁をしたのです。

そして全会一致で「主旨採択」になりました。すべての議員が「これは解決が必要」と認識したということです。ここまでくるには、お母さんたちのたいへんな努力がありました。何も知らない議員もいたようです。その人たちにいまの現状や市の対応を説明し、あらゆるところで署名を集め、本当にがんばりました。その成果が主旨採択になったのです。市民の声が届いたという実感があったことでしょう。

これからこの採択を受けて、実際に市がどう努力するか、が問題です。いっそうみつめないといけないですね。