井口まみ
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川崎の環境 過去現在未来を学ぶセミナーがありました

IMG_5109[1]川崎区の殿町に、「川崎市環境総合研究所」があります。キングスカイフロントと名前をつけて、川崎市が新たな研究開発拠点をつくっていて、そのなかに、川崎市の公害研究所が移転していったものです。この環境総合研究所が毎年行っているという「環境科学セミナー」に始めて行ってみました。今回のテーマは「川崎タイムマシン~『環境』×『川崎の過去・現在・未来』」というものでした。

IMG_5110[1]内容はその名のとおり、川崎の環境を過去の環境、今の環境、未来の環境という視点で、それぞれ取り組みを発表するというもので、現在の環境というのは、過去の環境の取り組みの結果としての今、という感じでしたが、過去の環境は公害の克服の歴史を、当時の市の公害局の職員だった方が公害克服の歴史を散逸させないよう残す活動をしておられ、この日の講師になりました。当時のことを本当にリアルに語られ、これはとても勉強になりました。全国に名をはせた公害物質の「総量規制」をどうやって徹底していたか。自動監視装置で大企業の工場ごとにNOXの排出量を計測し、排出量が基準を超えるとその企業に指導に行く様子が克明に映像になっています。ああ、こうやって、必死で公害をなくしてきたんだなあと実感しました。いまは、確かに目に見える黒い煙はありませんが、やっぱり大気汚染はよくなっていません。公害裁判の歴史がなかったことと、このことがきちんと述べられなかったことが心残りでした。

未来のことは、川崎市が環境技術を移転して東南アジア諸国に環境分野での国際貢献をしているという取り組みの紹介でした。確かに日本は優れた技術を持っていると思います。世界がそれを望んでいるというのもわかりますが、まず日本で川崎で実現してくれないかなあ、というのが率直な感想でした。木質バイオマスなんて、よその国に教える技術があるなら、川崎で何とかならないか考えてくれないでしょうか、と思ったのはわたしだけでしょうか。

IMG_5111[1]先の6月議会で私は、過去の公害の歴史を後世に伝えることが必要だという質問をしました。過去を学ばない者はまた過ちを繰り返す。いまの戦争法案を見てつくづく思うことです。この環境総合研究所の1階に展示スペースがあります。せめてここを川崎が苦闘した公害克服の歴史をしっかり展示してほしいと思っています。その環境総合研究所で過去の歴史を残そうという人たちに出会えたことは、とてもうれしいことでした。帰りに研究所が持っている電気自動車にも乗せてもらい、音はしないしクーラーもかかるというのを知ったのも勉強でした。