画期的!麻生区の「緑を守れ」の請願が趣旨採択に
2007,08,30, Thursday
多摩区との境、麻生区多摩美は豊かな緑がひろがる、とても素敵なところです。多摩自然遊歩道、多摩美ふれあいの森など、保全された樹林地が続き、住民の皆さんもこの緑を守り続けることにずっと取り組んできました。
そんな地域の一角に、まだ保全されていないわずかな斜面があります。何年も前から開発業者が買ってマンションにすると申請を出しては転売し、そのたびに住民の皆さんが「みどりを守ってほしい」と運動をされてきたところでした。ここにきてまた、転売されて業者が変わり、今度は一戸建てをいくつか立てるという計画が浮上し、「住民と協働で保全してほしい」という町会をあげての請願が、市議会に出されました。
7月環境委員会としてまず現地視察にいきました。15メートルの高さで斜度は30%になるというに、「こんなところに家を建てるの?」という素朴な疑問の声が。暑い日でしたが、ウグイスの声が聞こえ、まわりをグルッと囲む深い緑に、「この緑を守らずにどこを守るのか」という声も上がりました。
そして昨日、委員会で審議がありました。環境局は「財政にも限りがあり、買うことはできない」と一点張りです。しかし、請願の内容は「市民も協働して、いっしょに保全したい」ということであり、そのためには財政的な協力もあるということで、「その市民の願いをふみにじるのはおかしい」と、全会一致で、この請願の趣旨を採択するという「趣旨採択」になりました。いままでもこうした緑の保全の請願はとてもたくさんありましたが、市が消極的だと「財政難は理解できる」という会派があったりしてまとまらず、「継続審査」になることがほとんどだったのに、緑を守りたいという市民の強い思いが、議会に伝わり、行政に対して「守りなさい」ということになりました。ほんとうに画期的なことです。
市は「環境を守る」「緑は保全する」と口では言いますが、実際に開発業者が木を切り倒し、マンションにすることをほとんど止めることがありません。結局、まともに緑を守る立場に立っていないことがこの事態を生んでいます。この委員会の審議でもそれがあらわになり、多くの委員から指摘されました。私も「市民がいっしょに守ろうといっているのに、それを受け止めるつもりはないのか」とただしました。議会が市に対し「もっと努力せよ」というのはとても重大なことです。川崎市はそれをしっかりうけとめて、がんばってもらいたいと思います。
議会では今週、こうした請願や陳情の審査を行いながら、いよいよ3日に迫った9月議会の開会に向け、代表質問の準備に追われています。季節は少し秋に向かい始めましたが、議会の中はあついまま、です。