第65回稲田つつみ寄席、70人のお客さんで大笑いしました
今年でちょうど30周年を迎えたつつみ寄席。よくここまで皆さんに支えていただいたものだと感謝しています。今回も初出演の前座さんから、70歳を超えてなおお元気なベテランの師匠と、多彩なゲストを迎えて開催することができました。
前座の桂竹もんさんは熊本出身なので「もん」をつけたとか。あ、くまもん、ね。若草色の着物が似合う長身のイケメンさんです。ねたは「平林(ひらばやし)」。字の読めない小僧さんが旦那さんに言われて「ひらばやし」さんちに手紙を届けようとするのですが、忘れてしまいます。道行く人はテキトーに教えるので、完全にわからなくなって…。やっぱ、字を習おうね。
二つ目、柳亭明楽さんは3回目の出演です。とてもまじめな雰囲気で自分で「めいらくを逆さに読むと“くらいめ”なんです…」と自虐のまくら。なのに、ねたは酒飲みが集まってわいわいと肴を探す「寄合酒」なんですね。ひとりで与太郎や酔っ払いを何人も演ずるのはたいへんだ。やっぱり落語家さんて、修行して修行して、身についていくんですね。
色物は「太神楽(だいかぐら)」の鏡味よし乃さん。2年前に始めてきていただいて、そう、思い出しました。うちの娘と同じ年。神社の神楽を勉強したくて国立養成所に合格していってみたら、「傘まわしだった」と面食らったという変わり種です。もうすっかり太神楽の芸人さんです。この会場は天井が低いので、出し物が限られてしまって残念なのですが、いつか大きな会場で目いっぱいやってもらいたいです。
トリは昔昔亭桃太郎師匠。2週間ほど前もNHKの「日本の話芸」に出ておられました。つつみ寄席にも何度も来ていただいていますが、あいかわらず飄々と、たんたんと、でもよく聞くとすごく面白い?ダジャレを連発しています。今回のネタは「カラオケ病院」。師匠の代表的な新作落語です。なんといっても、病院の患者が自分の病気を替え歌にして、つぎつぎとカラオケを歌う、それを一人で全部歌っちゃうおもしろさ。結構古い歌が多いので、だいたいみんな知っているんですよね。あ、今日は大学生も来ていたから、わかんなかったかな。このなかに「桃太郎の追っかけ」なんて言う歌を紛れ込ませていたけど、ほんとうに追っかけの方が来ておられたのですよ、
みなさん、楽しんで帰っていただけたと思います。また、半年後、笑ってリフレッシュして明日の鋭気にいたしましょう。