地域交通安全員は一日5時間に―予算審査特別委員会の報告2
2008,03,29, Saturday
危険な交差点などに立って小学生の登下校時の安全を守ってくれているのが、「学童等交通誘導員」と「地域交通安全員」の方たちです。同じように街角に立っていても、この二つの制度はまったくちがいます。2年後には一本化されるのですが、問題点が明らかになりました。
きちんと制服を着て朝も夕方も立っているのが「学童等交通誘導員」です。県の制度で市も補助金を出して、1日5時間の勤務になっています。長い方は20年以上この仕事をしており、子どもの名前も覚えて、とても慕われている存在です。県はこの間、退職後の補充をせず、ついにこの「学童等交通誘導員」の制度を、平成21年度で廃止することにしました。
学童等交通誘導員が減っていくなかで、「危険な交差点には誰か立ってほしい」と強い要望に市の教育委員会が「臨時交通整理員」を配置しました。これが昨年から「地域交通安全員」と名称を変えました。基本的には朝一時間のみで、学校から要望があれば放課後一時間半は配置します。制服もなく、黄色い旗と腕章が支給されるだけで、給与もわずかな時給です。川崎市は、学童等交通誘導員が廃止されたあとは、この地域交通安全員の制度で、子どもたちの安全を守るとしています。
そこで私は、昨年七月から中野島中央通商店街の交差点に配置されている地域交通安全員の方の仕事を視察しました。道路が狭くて信号待ちの待機場所もない交差点に、小学生がどっととやってきます。ちょろちょろしている子どもたちの危ないこと。安全員さんは少しも気が抜けません。ここには一昨年まで学童等交通誘導員がいましたが退職。1年半さんざん探して、ついにPTAのなかからお願いしたのだそうです。1日1、2時間のために、毎日自分の生活を犠牲にして、こんな責任の重い仕事をする人はなかなか見つからないのです。
そこで予算審査特別委員会で、「1日5時間立つことが何よりも子どもの安全の確保に必要。そしてそれがプロとして働き続けられる条件」と、地域交通安全員の勤務条件を、学童等交通誘導員と同じにするよう求めました。木場田教育長は「業務内容は『一人一人の顔が見える』、蓄積が必要なもの」「業務遂行にふさわしい経験豊かな方にお願いしたい」とこたえ、二年後の体制は、それまでに検討するとこたえました。
この問題を取り上げたのはこれで5回目。ずっと学童等交通誘導員の勤務条件をひきつぐよう求めています。最初に取上げた時も、前の日に近所の誘導員さんの仕事を見て、「これは本当に大事だ」と実感してきました。子どもたちの安全を守るための制度はきちんと残して生きたいと切に思っています