井口まみ
井口まみ井口まみ

川崎で平和を守るとは、なにをするべきか

2008,07,25, Friday

市民の直接請求による臨時議会が開かれたのは、七年ぶりでしょうか。条例案を作って有権者の50分の1以上の賛同署名を集めれば、市長は議会を招集しなければなりません。7月22日から24日まで、「川崎市無防備都市条例」の制定を求める条例案を審議する臨時議会が開かれました。
日本共産党の議案に対する態度は、市議団のホームページに載っています。条例案の内容も引用していますのでそちらが詳しいです。この結論を出すまで、一生懸命考えました。3万人を超す市民が「平和のためになにかしたい」「この署名で川崎が平和になるなら賛同したい」と署名をしているのです。その気持ちはなんとしても生かしたい。でも、無防備都市宣言はどう考えても平和とリンクしないのです。
憲法九条は、世界のすべての人々を信頼して、平和外交の力によってそもそも攻めたり攻められない世界を作ろうと宣言しています。その憲法の力が世界中で大きな力を発揮しているときに、川崎が攻撃されることを想定する条例を作るというのは、納得ができない。それをよしとするなら、国会で、やはり日本が攻められたときを想定して国民を強制的に移動させることなどを定めた「国民保護法」も容認されなければなりません。そんなことはおかしいと私たちは断固反対したのです。憲法の力は決して小さくないと思います。自民党も民主党の中にも「憲法九条を変えて、日本を戦争できる国に」という野望がうずまいているなかで、この憲法を絶対に守るという国民の強い意志をつくることこそが、平和を守る何よりの近道ではないか。私はそういう確信があります。
提案された条例案は、そのほとんどが川崎市の平和行政の充実を求めるものでした。それはこれから実践されなければなりません。それには全力をあげるつもりです。自衛隊の祭に、それといわずに市立高校の吹奏楽部を出演させ、勧誘をするなど、詐欺まがいのことが行われていたことが共産党の質問で明らかになりました。
委員会でこの自衛隊の勧誘が問題になったら、自民党の議員が「自衛隊の勧誘ができるようになったは自分がやったんだ」というのです。民主党は代表討論で、「平和と軍事は対立しない。軍事があるから平和がある」と堂々というのには本当に驚きました。この臨時議会は、それぞれの会派の正体がよく見えた議会でもありました。
平和を願わない人はおそらくほとんどいないでしょう。でもそのためには何をするべきか、現実をしっかり見据えて考える機会に、この臨時議会はなったと思います。