井口まみ
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高遠菜穂子さんの講演を聞きました

2008,11,09, Sunday

たま九条の会が2周年を記念する集いを開きました。思えば、2年前、安倍内閣が発足して、憲法を変えることができる国民投票法が可決して、本当に憲法が変えられるのではないかというたいへんな危機感をもついっぽう、九条の会に人が続々と集まってきて、簡単にはさせないぞ、という熱い思いで発足の会をおこなったものでした。この力が、改憲勢力を押し込めてきていると実感しています。
2008,11,09, Sunday

この日の2周年のつどいには、きたがわてつさんが平和の思いを込めた歌声で会場を一体にし、メインは高遠菜穂子さんの講演でした。初めての私は衝撃でした。
高遠菜穂子さんは、四年前イラクで武装勢力に拘束され無事開放された方です。いまもなお、イラクの子どもたちに学校を作ったり支援物資を行うボランティア活動をされています。アメリカが妨害するためにイラクで起こっていることをほとんど報道できず、真実が世界に伝わっていないことから、こうした講演会で生々しい映像も臆せず使って、イラクの現状を伝えています。ほんとに直視できない生々しい現実がつぎつぎと映し出されました。イラクはもともと宗教的も民族的にも融和した平和な国だったこと、そこにアメリカとイスラム原理主義をかかげる武装勢力が分断を持ち込み、平和が破壊されてきたこと、そのなかで、日本人が「非武装こそが解決の道」と支援をしていること…。知らなかったことが次々と語られ、その支援の必要性が明らかになっていきました。
高遠さんは「自分は最初は意識していなかったが、憲法九条がある国に育っていたからこそ、武力では紛争は解決しない、非武装こそが平和への道だということを語っていた」という意味のことを言われました。武装勢力に拘束されたときも、武器を持っていなかったことが開放された理由だったということでした。
あらためて九条のある国で生まれ育った意味を考えされられました。「武力で問題は解決しない」ということは当たり前のように思っていましたが、世界ではそれが本当に必要なところがあるのだということ、それは繰り返し繰り返し意識しなければ浸透しないのだということなのです。日本のなかでも理解できない人はまだまだいて、それが自衛隊に中枢にすらいるような国です。無意識に安閑と生きていてはいけないのだとあらためて思いました。
本当に考えさせられた2周年の集いでした。