井口まみ
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願いのこもったネズミ

2008,01,17, Thursday

untitled

ススキでふくろうを作ったり、木の実に目やくちばしをつけて小鳥を作ったりしている方のお宅へうかがいました。そこでこんなにかわいい干支のネズミに出会いました。足元に米粒があるので大きさがわかるでしょうか。体の実が1・5センチくらいのかわいいネズミです。
この実はムクロジという樹の実です。振るとなかにカラカラと硬い実があることが分かります。この堅い実で作るのが、はねつきの羽根だそうです。あのカンカンという硬い音を出すのが、このなかにはいっているわけです。ネズミの耳に見えるところに種があり、これがはずれて新しい命になります。なんという自然の造形美!尻尾はテイカカズラの枝の先。足のつめはナンテンの実をはずした枝の部分です。
この「ムクロジ」という名前、漢字で書くと「無患子」なんだそうです。子どもが病気にかかりませんように、と願いながら、はねつきをするんだ!と思いました。その実を干支のネズミにして、ナンテン(難を転ずる)の足をつけて、「この一年、無病息災でありますように」という願いを込めて作られたと、お話をうかがって、いよいよかわいく見えてきました。
ムクロジは多摩区内では数本しかないとか。この実を集めるのもたいへんだったそうです。貴重な一匹。私もみんなの無病息災を願って、玄関にさっそく飾りました。