井口まみ
井口まみ井口まみ

第73回稲田つつみ寄席、4年ぶりに開催!!

7月28日、こんな暑い日に人が来るのだろうか、とさんざん悩んでいましたが、ふたを開けてみれば80人を超えるお客様!4年ぶりの稲田つつみ寄席は大成功でした。

「新宿や浅草に行かなくても、落語を楽しめるまちに」と1986年から始まったこの地域寄席。こんなに長く続いているのは本当に少ないと、今回トリをつとめていただいた小南師匠からも褒めていただきました。今回もコロナに端を発してなかなか開催できず、もうだめかと思うこともありましたが、なにより「いつ再開するんだい」と言われる方たちがいて、地域に支えられて続けてこられました。汗をふきふき、入ってこられる人たちにまず感無量でした。

前座は桂しゅう治さん「権助魚」。二つ目は桂南楽さん「猿後家」。講談は神田桜子さん「柳沢昇進綴 お歌合せ」。そしてトリは桂小南師匠「里帰り」。後の懇親会で皆さんが言っておられましたが、女性がとても多いということで選んでいただいて、おかみさんやお嫁さん、奥様といった女性が主人公のお話を全員がしてくれて、共感を呼びました。なんといってもトリの小南師匠は、お姑さんにいじめられて帰ってきた娘を諭す父親の心情があふれて、本当にそこで娘の話を聞いているような臨場感。「いやあ、いい噺を聞いた」と満足げに変えられる人がたくさんいました。

桜子さんが最初に感動してくれたのは「釈台」です。講談師がパンパンと叩く釈台はなくてはならないのですが、寄席以外に持っているところなんてあんまりない。持っていくこともしばしばだそうですが、つつみ寄席には歴代の講釈師がサインをしてくれる立派な釈台があるのです。いまやチケットの取れない講釈師のサインもあります。「ぜひ次も!」と言われ、「もちろんです」。

次回からはもっと季節のいいときに。そのためには今回くらい入っていただかないと続きません。寄席で主催者がしゃしゃり出てしゃべるなんてことはないのですが、ぜひ支えてくださいとお願いするために、前座の前座を務めさせていただきました。