首長の姿勢でこんなに違う
渋谷区と港区に視察に行きました。渋谷区では、なんと保育科を大幅に下げたというので、その理由や内容と、地震に備えて誰でも気軽にできる壁の補強を全額補助する制度の説明を聞きました。港区は区独自の高齢者支援についてです。
どの課題も川崎でも繰り返し要求していますが、いろんな理由をつけて、いっこうに実現しません。それをどうやって突破したのが、ということを聞きたくて、いさんで出かけました。
渋谷区の保育科は、今年度から、年収400万円以下の世帯は無料になりました!それも認可保育園だけでなく、区が認める一部の認可外保育園も対象にし、年収1000万以下の世帯はこれまでの3分の1とか半分にするという、大胆な値下げです。なぜこんなに大幅に下げたのかと聞いたら、「リーマンショック以来、子育て世帯の経済的な困難がより増大しており、区長が、抜本的な支援をすると決め、検討した」とのことでした。
地震対策も、たいへんなお金をかけないと補強できません。歳をとってそんなお金はないという人に、「なんとかならないのか」と区長が言ったことから検討が始まりました。法律では建物全体をいじらないと耐震にはなりませんから、そういう法律に縛られた部署とは別に新しい課を作ります。そこでできるのは、ひとつの部屋だけ地震に強い壁板を打ち付けて、そこに家具も取り付けて、とにかく家具の下敷きになったり、屋根に押し潰されないようにして、逃げられるようにするというものです。利用者の負担はなし。
すごいと思ったのは、まず区内の木造住宅を、コンサルティングにすべて回ってもらい、なぜ耐震対策をしないのか、聞いて回りました。これがたいへんよかったのです。たんにお金がかかるから耐震対策をしないのではなく、家具を動かすのがたいへん、とか、細かい声を聞くことができ、それも制度に生かしたのです。
どれも首長のやる気と、それに励まされた職員の知恵が市民の願いに応えた制度を生み出しました。お金がないとか、国の動向を見てからとか、言いますが、要は市民の願いに対する姿勢の問題だと思ったのです