井口まみ
井口まみ井口まみ

「こんなひどいマンションが建つなんて」というのが2つも続いています

「自分のうちの目の前に、マンションの壁ができる。やめてほしい」というマンション紛争が、多摩区西生田でたてつづけに2件発生し、いま、それぞれ「住環境を守る会」などの名前で会を作って、がんばっています。どちらも、ここ1週間くらいのあいだに、事業者の説明会があって、あまりの住環境無視に、まわりの方々の怒りがふっとうしています。

ひとつは、西生田1丁目。幹線道路に面していて、建物自体には高さ制限がありません。しかし建物の高さが10メートルを超えると、近隣に落とす日陰を減らさなければならないという決まりに引っかかるため、わざわざ、9・99メートルにして、日陰の規制を受けないようにしています。そのうえで敷地目いっぱいに地上3階地下1階=見た目4階で40戸という巨大な建物ができます。そのため、すぐ裏のお宅は、冬は1分も太陽が当たらない。それでもなんのおとがめもなしなのです。説明会で「高い建物も建てられたのに、なぜ高さを9・99メートルにしたのか」と聞いたら、「日影の規制を受けるような高さにすると、建てられる戸数が減る」と、はっきりと「儲けを増やすため」だということがわかりました。

もうひとつの西生田4丁目も、高さ9・99メートルで、地上3階地下1階です。1丁目もそうですが、見た目4階建ての建物が10メートル未満になるというのはおかしい話しです。実は、地下階というのは、容積率に参入しなくてもいいという法律があり、地下になら容積率の範囲以上に部屋を作ることができます。そのため、1丁目はほんとに地下を掘って、穴倉のような部屋を作るのですが(それが売れるとはまったく思わないのですが)、こちらの4丁目の場合は、わざわざ建物の周りに盛り土をして、この盛り土のてっぺんが地盤面だといいはるのです。つまり架空の地盤を作ってその下は地下だから、見た目は4階分あるが、その地盤から3階の屋根までは9・99メートルだというわけです。川崎市はこうした地盤を勝手に作るような盛り土は原則として禁止しています。しかし説明会で事業者は「地盤の高さは任意に決められる」と言いつのり、この勝手な盛り土によって地下階の10戸の建設を可能にしています。

こういう、周りの人に迷惑をかけて、自分だけが儲かればいいというやりかたには、ものすごく腹が立って仕方がありません。許せないのです。こういう紛争があまりにもあちこちにあって、市民生活を脅かすので、少しずつ法律や条例が厳しくなっていきます。でもなかなか今の紛争に間に合わず、とにかく業者と交渉を重ねるしかないのです。なんといわれようとこれは先頭にたって、絶対にやめさせたいと思います。そういうたたかいがなければ、町を守ることができないと思うのです。