障害者が心豊かに暮らせる川崎にーつどいを開きました
共産党市会議員団主催で、障害者問題の「講演と懇談のつどい」を開催しました。市内のすべての障害者団体、社会福祉法人、施設など200以上にご案内を送り、手話通訳や要約筆記も準備しました。いろんな行事が重なっている中、50名の方に集まっていただきました。
第一部は、いまの障害者自立支援法をめぐる情勢について、障全協事務局次長の家平悟さんに講演していただきました。家平さんは、中学生の時にプール事故で頚椎を損傷し、車いすで生活しています。障害者自立支援法は憲法違反だと訴えた裁判の元原告で、まさにいまの障害者問題の渦中にある人です。
国会では、いま自立支援法の改定が提出されています。民主党はマニュフェストで自立支援法の廃止を公約しました。大臣が「障害者の声を聞いた新法を作る」と約束したので、違憲裁判は和解して終わりました。信奉の中身を議論する場が作られ、意見の違う人たちもいますが、ねばり強い話し合いで「こんな法律にしてほしい」という「骨格提言」ができあがり、期待が膨らんでいました。ところが民主党は、自民党と公明党の「自立支援法の制度をそっくり残す」と言う要求を丸飲みし、名前だけ変えた「総合支援法」と言うものを国会に出しているのです。このながれについて家平さんはたくさんの問題点を指摘した上で「すべての人の権利を守る運動で障害者こそその先頭に立てる」とのべ、運動によってこそ未来は切り開かれる、と展望を示しました。
第2部は参加者のみなさんから意見をうかがう時間です。傷害の違いによって、また、立場の違いによってようきゅうはほんとうにさまざまで、次々とだされました。耳の不自由な方が、川崎市内の事故の現場検証で、県警が手話通訳者を呼んでくれなかったため、ちゃんとした検証ができず不利益を被ったことがあったと紹介され、こうしたことも当事者がいわなければならないのかと、唖然としました。川崎市は財政を理由に傷害の軽い人は解除者も含めてバスの無料の制度をやめることや、道路に段差があって車いすではとても出られないこと、障害者もその親も高齢化がすすみ、「いまや障害者が高齢者を介護すると言うことも起きている」と言う話もありました。生活のあらゆる場面で困っているという実体がよくわかりました。
「骨格提言」は、新しい法律は「すべての障障害者が等しく基本的人権を享有する個人として尊重され、他の者との平等が保障されることの理念に立脚すること」、「どこでだれと生活するかについての選択の機会が保障され、あらゆる分野の活動に参加する機会が保障されるために必要な支援を受けることを障害者の基本的権利とする」と明記しています。これが今の日本の障がい者施策の基本理念の到達点です。私たちはこうして現場の生の声から学び、その目標にむかって市政を動かしていくことがなにより大事だと思っています。とてもすばらしい機会になりました。