井口まみ
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多摩区の地下水をくみ上げる井戸は残ります

生田浄水場活用計画-1先日の市議会環境委員会に「生田浄水場用地の有効利用に関する基本計画(案)」が報告されました。生田浄水場を工業用水専用の浄水場に縮小したあと、残りの用地をどう使うかという計画案です。

工業用水の浄水機能は50年後に新たに横の土地に移転して更新するために、それまでの間は広大な土地があいています。それを有効利用するために、市民の要望の強いスポーツ広場にするということで、計画では、サッカーコート2面とテニスコート、駐車場などを整備するのと、子どもたちがじゃぶじゃぶと遊べるような親水広場が提案されています。上下水道局が直接運営するのではなく、民間の力を活用すると言っているので、目的通り使う会社などに土地を貸すんだな、と思っています。

この計画自体にもいろいろ意見はあります。周辺道路がとても狭くて、住宅もいっぱい建っているのに、100台の駐車場を整備するというのは大丈夫なのか、など、これから考えなければならない問題があると思います。それは地元の皆さんと意見を上げていきたいと思いますが、水道事業という点からみると、大きな前進がありました。

親水広場に流す水は、地下水をくみ上げる井戸から、これまで通りの管を使ってもってくるというのです。最初は飲み水に関する施設はすべてなくすという計画で、この井戸も全廃する予定でした。3年前に、災害用に井戸を残して水を保全せよと求めたところ「小さいポンプに付け替えて2、3か所の井戸は残す」という答弁から、ついに今回の計画で「当面7カ所残す。水質がよければあと数か所残す」というのです。これはほとんどの井戸を残すということです。委員会でこの答弁を聞いたとき、胸が熱くなりました。

生田浄水場をなくすなという運動を始めて4年。市民の飲み水を遠くから高い金をかけてしかも安全性に疑問があるものを持ってくるのはおかしい、と、本当にだれもがそう思って、運動は燎原の火のように広がりました。東日本大震災で導水管が壊れ、小田原から水が来なくなったということは大きな衝撃でした。「多摩区の井戸と生田浄水場をがあれば、災害時に全市民に水を配れる」という会の署名は、2万を超えました。この市民の声が市を動かしたのです。

水道集会しかし、井戸以外の浄水場の施設の撤去は計画に載っています。大きな施設なので、一度撤去されてしまうとまた作るのは大変です。まだまだ運動を強めなければなりません。先日の「かわさきの安全でおいしい水道水を守る会」の集会でこのことを報告させていただきました。会では「いよいよ市長選だ。この願いを聞いてくれないなら市長を変えよう」という声も上がりました。そうです。政治は市民の手で動かすことができるのです。