市営住宅に太陽光パネルをつけよう
川崎市は市営住宅の屋根に太陽光パネルをつけようとしません。発電した電気をその棟の人たちが使うのは、ほかの住宅や市民全体と不公平だからだという理由です。地元の中野島にはいくつかの市営住宅があり、そのまわりの住民の皆さんが、「これだけ広い面積はもったいない。ぜひつけたい」と声をあげ、市議会に請願をだし、先日その審議がありました。
請願は「公共施設には原則としてすべてつけてほしい」という項目もあり、それは「市としても推進している」との答弁でしたが、市営住宅はやはり「難しい」。請願は継続審査という結果でしたが、現在改築を行っている市営中野島住宅では、これから3期工事の設計をおこなうので、「屋根にソーラー発電を載せた場合の荷重を見込んだ形の設計は行っていこうと思っています」という答弁がありました。これは大きな前進です!
太陽光発電をもっと推進するために、この機会に新たな仕組みをつくろうと、さらに担当課と交渉することにしました。署名を行った住民の皆さんが10人も参加して、環境局の地球環境推進室と、市営住宅の担当であるまちづくり局住宅建替推進課に、ぜひがんばってほしいと訴えたのです。私も同席させていただきましたが、焦点の市営住宅については、「民間に屋根貸しをすることを想定して、その時に困らないような設計にしておく」ことを考えていることがわかりました。屋根貸しはまだ制度もなく、いつになるかわかりません。私たちは「市が直接売電すればいいではないか」と提案しました。
実はこの交渉の前日、請願を出した人たちと私もいっしょに、実際に公営住宅の屋根で太陽光発電をしているところを見てきたのです。東京都の都営住宅です。新築のところはすでに200基(1基5kw)もあり、既築の住宅にも後付けしていることをインターネットで知りました。都庁に電話してその場所を聞き、うちから一番近い町田市に行ってきました。木曽森野第1アパートというところで、幸運にもその設置を推進してきた自治会長さんに会うことができ、くわしくうかがってきました。やはり、作った電気はほとんど都が売電しているとのことでした。東京都では直営で都の財政に貢献しているのです。こうやればすぐできることがわかりました。
住民の皆さんも私も自信を持って、「やっているところもあるのだから、市も売電すればいい。これは地球温暖化対策として、市が推進していることであり、市営住宅としても協力すべき」と求めました。これは建替え推進課だけでは判断できないというので、市民の思いはよくわかってもらったということで今回はきりあげました。これは実現の道筋が見えてきた感じです。もっと頑張ろうと気勢が上がりました。
ところで、環境局に求めたことがあります。それは、せっかく売電という道筋をつけたとしても、いま、各電力会社が電力買取をやめようとしているという大問題が起きていることに対し、国に対して市として抗議し、買い取り制度をきちんと存続させるよう求めてほしいということです。課長さんは「政令都市が協力して、温暖化対策を推進する協議会を持っているので、そこで、みんなで国に要望するよう川崎市から提案する」とお答えをいただきました。こちらもぜひがんばってもらいたい。電力会社はあまりにも身勝手です。