長野県飯田市は素敵なまちでした
視察2日目は長野県飯田市。名古屋から高速バスで2時間です。前の夜のうちに入ったので、駅前以外はまっくら。翌朝、ホテルから市役所まで歩きましたが、とても素敵な街並みです。なぜなのかは、あとでお知らせするとして、まずは勉強したことから。
今回の視察項目は健康福祉委員会関係は「高年齢者等住宅リフォーム制度」。“高齢者”ではないところがミソです。なんと50歳以上の住宅のバリアフリー工事を地元の業者で行うと、工事費の30%か上限10万円まで補助されるというものです。補助を受ける条件は介護保険を利用していないこと。統計によると介護が必要になる理由の5分の1は転倒による骨折ということがわかり、転倒しない家にすることが介護予防になると考えて、介護が必要になる前にまさに「転ばぬ先の住宅改修」を進めようというわけです。しかも50歳以上にしたのは、息子の世代をターゲットにしたから。高齢者が自分たちのためならあまり考えられなかったが、同居する息子の世代が親の生活を考えて改良する。うん、ありえるなあ。
最初の1年間は65歳以上にしていたので予算が余る程度しか申し込みがなかったそうですが、昨年度50歳以上に緩和したら2倍の申し込みがあり補正予算で追加したそうです。補助の総額は1500万円ですが、実際の工事総額は3億円を超え、経済効果も抜群。工務店の皆さんが広報に努めてくれているそうです。介護予防のために健康福祉の担当者が考えた制度。こういうやり方もあるんですね。
環境関係は、自然エネルギーの普及をしていることでたいへん有名な市ということで、ものすごく期待していたのですが、急きょ担当者が出張で、資料提供だけになってしまいました。これはこれでとても参考になるのですが、やはり実際にまた来たいと思います。そのかわりに、まちなかにある「エコハウス」を見学してきました。地元産材を使って、地元でできる工夫で環境共生型住宅にするくふうがたくさんあります。全国20か所にこうしたモデルハウスが環境省の補助金で作られているそうで、いままでに4か所くらい見ていますが、どこもその土地の特徴を持った建て方をしていて、ここはとても素朴で導入しやすい技術が多いなあと思いました。
さて、飯田市は住民参加型の市街地再開発事業をしたことでも有名です。特に有名なのがラウンドアバウト(環状交差点)です。ホテルのすぐ横にありました。また、まちのどまんなかにリンゴ並木があって、いちおう車も通れるのですが、石畳の遊歩道のような風情。ちょうどフジがたわわになっていました。平日の朝で、べつに人がたくさんいるわけではないのですが、商店街にはお店が並んでいるし、営業もちゃんとできているようです。
実は飯田は私の母の実家があり、このまちは子どものころからよく来ていたところです。30年くらい前は大きな商業施設ができてそれがあっという間に撤退し、どんどんさびれているという感じでした。それが、いまや、夏になると世界中から人形劇の劇団が集まって一大イベントを開催し、こうして町が整備されていく。地方のまちでもしっかりと取り組んでいけば町は活性化するのだなあと、つくづく思いました。
おしゃれなレストランや博物館などがいっぱいあって、楽しめそうな町で、また来たい街です。というか、いとこを誘えばいつでも来られるわけだ。たのしみです。