井口まみ
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臨時議会でおきたことーー少数会派の尊重とは

25、26日と選挙後初めての臨時議会が開催され、まず議長などの役職を決定します。川崎市議会は40年ぶりに議長選挙に複数が立候補し、日本共産党から市古てるみ団長が候補者となりました。また、神奈川県内広域水道企業団などの議員も選挙になりました。なぜ??

川崎市議会は、これまで、議長を第1会派(最も議席の多い会派)、副議長を第2会派、監査委員を第3、第4会派から選出してきました。日本共産党は、議長、副議長の候補者に対して、「公平公正で、民主的な議会運営を行うこと」を申し入れ、その返答があることをもって、その候補者に投票してきました。また、神奈川県内広域水道企業団、川崎競馬組合、神奈川県後期高齢者医療広域連合の各議会議員は、議員数の比例按分によって、少数会派でも、4年間のうちに必ずその議員になれるように、配置・選出してきました。

ところが今回、事前に各会派代表で行われた世話人会では、日本共産党以外の会派が、ほとんどの役職の選出を選挙で行うよう主張し、これまでの方法で一致できませんでした。選挙となれば、大きい会派がすべての役職を独占できます。それは民主的ではないと主張しましたが、結局選挙になってしまいました。

佐野トリミング「市古てるみ団長を議長に」と推薦演説をした佐野よしあき議員は「地方自治体では首長と議員は直接住民から選挙で選ばれるという二元代表性がとられ、議会・議員は行政をチェックしていく役割を担っています。また、行政をチェックするとともに、市の施策に住民の多様な意見を反映させていくためには、大会派のみならず少数会派も役職を担うことが求められます」と述べ、これまでのやり方に戻すよう主張した上で、この選挙では「公平公正を何よりも大切にする強い正義感を兼ね備え、中立公正な議会運営を行う議長という職責にふさわしい人物」と推薦しました。(写真は、推薦演説を行う佐野議員。議長が決まるまでの間の臨時議長を、共産党の石田和子議員が行っています)。

DSC02315私も、後期高齢者医療広域連合議員に、同僚の大庭裕子議員を推薦する演説を行いました。後期高齢者医療広域連合は、2年に一度必ず改定される保険料を審議し、その予算を決定する重要な議会ですが、日本共産党の議員以外にほとんど発言する議員がなく、3時間で議会が終わってしまう状況です。そのなかで、共産党の議員は県内の高齢者の生活の実態を示し、なんとしても保険料を下げよと、さまざまな提案をして主張し、値上げの議案には反対してきました。こういう議席こそ、川崎市から送り出すべきだ、と述べました。選挙の結果、日本共産党はすべての選挙で落選しました。

今回の一連の動きは結局、市民の願いを封殺する、議会の自殺行為だといわざるを得ないと思うのです。大きい会派に何でもよこせという横暴がいま川崎市議会に持ち込まれていることを、たくさんの市民に知らせて、本来の市議会のあり方を市民の皆さんとしっかり考えていきたいと思います。