障害者の入所施設を視察しました
2007,09,06, Thursday
障害者自立支援法ができて一年。「障害者も地域の中で暮らそう」という掛け声のもと、国は入所施設建設への補助をうちきってしまいました。しかし川崎市はもともと入所施設が少なく、自宅やグループホームでは暮らすことができない人が安心してはいることができる場所の整備が求められています。いっぽうで、すでに建てられている施設は老朽化が進んでいるということを聞き、実態はどうなっているのか、共産党議員団で視察にいきました。
中原区にある、知的障害者の入所授産施設「陽光園」、身体障害者の「明望園」、知的障害児の「しいの木学園」を視察しました。どれも築30年をこえ、一番古いのは写真の陽光園で38年たっています。建物が傷んでいるのはもちろんですが、当時の入所基準のままなので、なんと、「8畳間に3人で生活」みたいな状態がそのまま続いていることに、ほんとうに驚愕しました。
建てられたときにどういうポリシーで作ったのかはわかりません。おそらくもっと定員が少なかったのだと思います。しかし、障害のある人もない人も人間らしい生活をすることが当たり前になっているときに、ほかに施設がないためにこの古くて狭い施設に入らざるを得ず、畳の8畳間に3人もいっしょに暮らさなければならない。しかも一人一人がさまざまな障害を抱え、1人では暮らせないからこそ入っている施設で、きっと嫌な思いをし、我慢をしているのだろうと思うと、とても許せない気がします。
こういうところこそ急いで建替え、個室にしてプライバシーと人間的な生活を守らなければなりません。担当課はこの再整備を急ぎたいとしていますが、いつになるかわかりません。どの施設の職員も「お金があればいいのですが」といいます。しかし市長がお金をつぎ込むのはビジネスホテルであり、大きな高速道路です。この落差に本当に怒りを感じた視察でした。
今日はこのほかにも、高齢者施設や、母子生活支援施設も視察しました。どこも老朽化が激しく、職員のみなさんの大工仕事で何とかもっているという姿に、何とかしなければという思いを強くした視察でした。
視察が終わり、うちに帰ってきたら、それまで何とかもっていた空から大粒の雨がドッと落ちてきて、風が吹き荒れてきました。台風も視察が終わるまで待っていてくれた感じです。台風の被害はどこにもありませんように、祈っています。