高くて遠い水道水の水源を視察しました
2007,11,07, Wednesday
今日は環境委員会で、川崎市の水道水の水源のひとつ、遠いところから高い水を買わなければならないおおもとの施設を視察してきました。
川崎市は、自前の水源を2系統持っています。一つは、多摩川の伏流水を井戸でくみ上げて多摩区と高津区の一部に供給しています。これがおいしいと評判で、雨が降らなくても大丈夫という独自水源です。さらに、相模湖から川崎市の導水管を引いて、他の区に供給しています。そのほかに、神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市が出資して水道企業団というのをつくり、神奈川県の東部地域に水を供給する体系があります。今日はその水源の相模大堰と宮ケ瀬ダムを視察したのです。
この企業団の水、当初から家庭用の飲み水としては川崎はそんなに必要ありませんでした。しかし、工業界がどうしてもたくさんほしいというので、わざわざ飲み水用の浄水を工業用に変える施設を作って企業団から買うことにしたのです。ところが現在、その工業用にと増やした分がまるまる使われずにあまっています。臨海部の工場の技術革新がすすみ、水をそんなに必要としなくなったのです。そこで、余り水を解消するために、なんと、自己水源の井戸をやめてしまおうというのです。さらに、工業界が払っている水道代は市民の水道代に転嫁しようという動きも起きています。まさに高くて遠い水が、この企業団の水なのです。
川崎市が出資して作った水源のひとつが、この相模大堰。相模川をせき止めて水を貯め、必要な方向に流します。じつは、10年ほど前、この下流にもうひとつ大堰をつくる計画がありました。このムダづかいをやめさせたのが、この企業団の議会に議員を出していた川崎の日本共産党議員でした。
さらに水源確保のために作ったのがこの宮ケ瀬ダムです。ちょうど、観光のために放流する時間にめぐり合わせ、たくさんの人が歓声を上げていましたが、これも、バブルのときに多額の費用をかけて作りました。水源のない地域に供給するのなら必要かもしれませんが、川崎市にはいらないもので、まさに工業界の要請で、私たちがいまここにいるというのが現実です。1000人の住民が宮ケ瀬湖の下に水没してしまうために移住したのだそうです。まだ紅葉には早かったのですが、平日なのにたくさんの観光客がダムの見学や、宮ケ瀬公園の散策に来ていました。
そして明日は、共産党議員団として、川崎市はなくそうとしている自主水源の多摩川伏流水の取水場と、浄水場を視察に行きます。水道というのは難しい問題が多いのですが、近くておいしい水は手放すべきではないと思うので、明日もしっかり視察します。