井口まみ
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被災者支援の仕組みを学びに鳥取県に行きました

75369314_1360843250764266_3740482250672701440_n鳥取県に視察に来ました。テーマは「災害ケースマネージメント」について。正式な名称は「生活復興支援」制度です。3年前の鳥取中部地震で被災した方たちが家だけでなく生活そのものが元どおりになるように支援する仕組みです。県の危機管理局の副局長さんと、実際の現場で携わっている職員の方にうかがうことができました。

2016年10月21日、鳥取中部地震がおきます。19年前の鳥取西部地震の時に、日本で初めて住宅の再建に補助金を出した鳥取県は、今回も国より手厚い住宅への支援制度をつくります(それは後述)が、それでもブルーシートがかかったままの家が900軒も残っていることに問題意識をもち、昨年4月、この支援制度を始めました。まず、ブルーシートがかかっている家すべてに個別に郵送などをして支援制度の内容を伝えます。それでも481軒から連絡がない。そこでその全てを訪問します、訪問してみると、それぞれに個別の理由があって、家を直すことができないことがわかり、一軒ごとに対策を考え、最終的に113軒に対して「生活復興プラン」を作成して一定の期間にわたる様々な支援を行うということなのです。

77031309_1360843260764265_7595882669246775296_n屋根が落ちそうで通学路が危険なのに修理しないおうちを訪問してみたら、高齢のご夫婦二人暮らしで、何をすればいいのかもわからなかったとのことで、簡便な屋根の修繕を県が主導て行うとともに、市の福祉部局と連携をとり、介護保険に繋いだという事例など、福祉との連携部局との連携が本当に特徴的です。すぐに解決できなくても、相談できる人たちが来たというだけで、前向きな気持ちになると言います。

ある日突然家が壊れて、それまでだって大変な生活だったのに、これからどうしようか、と途方に暮れている市民に自治体が寄り添ってくれる。それがどんなに心強いか。

もちろん、気持ちだけでは復興にはなりません。鳥取県は、国が決めた住宅再建の支援以外に、一部損壊にも100万円の支援だとか、低所得者には、屋根だけの改修なら(鳥取中部地震はほとんどが屋根の被害だった)30万円の支援で直すとか、新たな仕組みを作っています。その上でケースマネージメントを始めたことについて、県の危機管理局の副局長さんの「外から見えない被災者が取り残されている」という言葉が印象的でした。

76717459_1360843310764260_3275957541628018688_n同時に、共産党の市谷とも子県議にもお話をうかがいました。もともと国の被災者住宅再建支援法ができる前から県はお金を出していたのに、国が制度を作ったら、全壊や半壊は県の支援はなくした。国の制度だけでは足りないのだから、上乗せすべき、と求めているなど、まだまだ本当に被災者に寄り添うまでには至っていないのだなあ、ということもわかりました。

川崎でも、床上浸水で、リフォームの見積もりが200万とか400万など、どうしようかと悩まなければならない方のお話が次々と入ってきています。高齢でどうしたらいいのかという方も、おられます。まさに一人一人が元どおりの生活に戻るまで、一貫した暖かい支援を続けることが必要なのだと、思います。今日考えたこと、もうすぐ始まる12月議会に生かしたいと思います。