川崎市の水道を宣伝する「みずみずフェア」に行ってきました
川崎市が毎年行っている「みずみずフェア」に行ってきました。上下水道局が水道週間にちなんで、水道水のことを知ってもらおうと行っているイベントです。しかしコロナのために去年は中止で、今年はぐっと小さい規模に。今年は川崎の近代水道ができて100年目なので、もっと大々的に宣伝してほしかったのに、残念です。
100年前とは大正10年。川崎は昔から水には苦労していて、掘っても鉄分の多い黒い水しか出ず、人口が増える中で多摩川から水を引こうと木管を地中に埋めて水道を作ったのが最初だそうです。そんな歴史が展示されています。
多摩川の水が東京側にどんどん取られるようになり、戦争中に30キロも向こうの相模湖からトンネルを掘って水源をシフトしたのも先人たちの先見の明でした。富士山から流れる水がそのまま自然流下で川崎市全域に届くように。その苦労も展示されています。川崎の水は、何もスーパーから買わなくても十分おいしくて安い水です。
地下水はもっとおいしかったのですが、生田浄水場の展示はありませんでした。廃止したのは汚点ですねえ。川崎の水道の優位性はここにこそあります。まだまだ復活をあきらめてはいませんよ。
100周年記念行事で、こんな歴史をパンフレットにしたり、大正10年の木管も記念式典で見せるそうです。先人たちの努力があって、いま、蛇口をひねれば水が出るようになっている。次世代につないでいきたいことです。水道週間にちなんで小中学生からポスターや習字、標語などを募って、その展示もありました。「おいしいな おとなの苦労の味がする」。水源から蛇口までの苦労を学んだから分かった味だね。
水がどこからどうやって来るのか。自治体によって全く違います。それを知ることは命の水を守ることにつながります。知らない間に民営化・広域化されていく危険があるからです。このフェアに来ていた新しい上下水道事業管理者にフェアの感想を申し上げてきました。「市民の皆さんが水道の歴史を知ることが安易な広域化を止める道ですね」。管理者も「はい、がんばります」と答えられました。