「自治体の民営化を考える」学習会を開きました
自治体の仕事を民間にやらせる「民営化」が進んでいます。そこで日本共産党川崎市議団は3月30日、この課題の第一人者、尾林芳匡弁護士を講師に「自治体の民営化を考える」という学習会を開催しました。コロナ禍で広く呼びかけることができませんでしたが、zoomも使い、市民の皆さんが数十人参加され、「よくわかった」と好評でした。
尾林先生のレジュメは数時間分あり、それを1時間半で話していただくので、それはもう怒涛の1時間半でした。国がすすめている公務の民営化は独立行政法人化、指定管理者制度、PFI、コンセッション方式など、いろんな手法があります。NPOも組み込まれていきます。どれも小難しい仕組みになっており、特に横文字が並ぶと、訳がわかりません。きれいな言葉で「民間の方が公務員がやるよりもいいサービスができるし、効率的」と言い立てます。しかし、その本質はただ一つだと、尾林先生は喝破します。これはただ民間企業の利益を追求するための仕組みに過ぎない。
それぞれの詳しい仕組みは割愛しますが、どの制度でも、儲けるために人件費を削り非正規雇用ばかりになる。経費のかかるところを手抜きするために事故が跡をたたない。そして儲からなければさっさと撤退する。自治体の役割が果たせなくなっている事例をこれでもかと紹介されました。でも、利益を追求するのは民間企業なら当たり前のことです。自治体の本来の役割である「福祉の増進」とは、儲からないものであり、だからこそ自治体が行うべきものなのです。
公務員では民間のようないいサービスができない、って自ら敗北宣言をしてますが、そりゃそうです。相手は消費者の関心を引くために莫大な費用をかけているのですから。だからといってその事業そのものをまるっと民間に渡してしまったら、もう自治体は運営する人もノウハウも失ってしまう。いいサービスをする方法は他にあるはず、と、尾林先生は好事例も紹介してくれました。
「ちなみに今流行りのコンセッションをスマホで検索してご覧なさい」と言われてびっくり。「利権」でした。「こんな簡単にバレることでも、横文字にして、勝手に『運営権』なんて意味をあてて国民をだましている」。
分かってはいることでしたが、こうして理論立てて話していただき、迷いなく論戦できます。私は4月からまちづくり委員会に所属します。等々力緑地でまさにこのコンセッション方式が導入される議案が出されるのです。腕がなるなあ。
会場は折りしも市の施設を指定管理者に運営させ、土地も民間の超高層ビルに權利床として組み込んでしまったところ。写真では分かりにくいけれど、これでもホールという名の部屋で、以前よりめっちゃ小さいし、設備もいまいち。ほらね、という感じです。