井口まみ
井口まみ井口まみ

ぜん息患者医療費助成制度は川崎の歴史そのものです

6月議会は、あと3日間一般質問を行うと閉会です。本当にいろいろと考えさせられる議会でした。

まず、なによりぜん息患者医療費助成制度の廃止を強行したことは、川崎市政の歴史に刻まれなければなりません。この歴史的な汚点は28日の本会議の討論で小堀祥子議員が詳しく述べました。市が医療費助成をなくす理由はすべて成り立たないことを明らかにしました。その中でも言ったのですが、もともと川崎市がぜん息という病気に医療費助成を行ってきたのは、公害の反省からです。もう二度とあの苦しみを市民に与えてはならないという決意の表れでした。いまだに患者は増え続け、車の排気ガスとの因果関係が証明された小児ぜん息も、大気汚染が改善されていないのに助成をやめるということは、市民の命に対する姿勢を崩すものだということ、これが公害を経験してきた川崎市のやることかということを、声を大にして言いたい。この廃止も川崎市の歴史の負の一ページだということを刻んでおきます。

そしてその一方で、臨海部にまた数千億円も投げ入れるすることを明らかにしたのも、この議会の特徴でした。JFE(旧日本鋼管)が撤退する扇島など400ヘクタールの広大な跡地に、まず川崎市が港と道路を整備してあげる。これからどんな企業が来るのかわからないけど、だいたいこんなものをつくろうと川崎市がまず絵をかいてあげて、そのための道路や港を先に整備する。これがまず2千億円だというわけです。2千億円あればぜん息の医療費助成制度は600年続けられます。同時に出してくるかねえ。

どちらも共産党しか問題にしませんでした。ぜん息の助成制度廃止は共産党以外の賛成で通りました。公害患者の会の皆さんは委員会での採決の日、議会棟の前で「委員の皆さん。助成制度がなくなったらお金がなくて病院に行けない人たちの命にかかわるということを、人間としてどう考えますか」と訴えておられ、胸が詰まりました。誰のための政治なのか、が問われています。

何のために議員としてここにいるのか。とりわけそれを考える議会でした。5日の水曜日、私も30分の一般質問に立ちます。登戸駅前の140メートルのタワーマンションは誰のためか。たった2万9千円の補助金をなくして高齢者を路頭に迷わせるなんて。などとりあげます。市民のための政治をめざして。

小堀議員の討論はこちら。全体で30分くらいあります。2023年6月28日を選んでください。

川崎市議会インターネット議会中継(本会議、予・決算審査特別委員会等)-会議名から選ぶ (jfit.co.jp)