放射能問題の学習会に300人も集まりました
共産党市会議員団主催の連続学習会で、放射能問題をとりあげ、今テレビで引っ張りだこの野口邦和さんをお呼びしました。会場に入りきれない300人以上が集まり、関心の高さをしめしました。率直に私が感じたのは、「専門家だけが本当のことを知っているのはずるい!」ということでした。
最大の関心は、どのくらいの放射線量なら安全なのかということです。連日新聞に載っているあの「0,03マイクロシーベルト」とかいう数字をどうみればいいのかを知りたいのです。野口さんは明確に言いました。「本来、放射線は人体にとって有害であり、被曝しないにこしたことはない」。でも、事故は起きてしまいました。「それは現実として受け止めるしかない。だとしたら、その環境下で正確な情報を出し、長期にわたって健康被害を起こす確率が低いという基準を示して、それ以下になるように生活することが大切だ」というのが、野口さんの話でした。
もともと日本では原発は事故を起こさないという安全神話にとらわれていて、実際に事故が起きた場合、どういう環境の元でなら暮らせるのかという基準がほとんどありませんでした。水も食べ物も、今、暫定基準というのが次々に作られていて、とても唐突な感じがします。でも、野口さんのお話では、あの基準は、とりあえず目安になるのだそうです。不幸なことだと思うのですが、人類は、広島・長崎以来、原爆や核実験、原発の事故などで、たくさんの人たちが被曝してきました。それらの研究の中で、どのくらいの放射線を浴びればどういう症状が出るのか、わかってきているのです。すくなくとも、今、国が出している暫定基準は、決して安全基準ではないのですが、「このくらいなら、将来がんになる可能性は何百分の1」という線量を示すことができるということです。もちろん子どもと大人は違います。子どもは暫定基準値がとても低くなっています。
野口さんのお話は、放射線を扱いなれているという印象を受けました。なんだか普通の化学物質で研究しているような印象でした。「フラスコを洗えばまた使える」「野菜についていても、洗えば問題ない」なんて、専門家にとっては、実際そういうものなのかもしれません。私はとにかく「得体のしれないもの」「人知をこえる、ひたすらおそろしいもの」というふうに思っていました。それがまず違うのでしょう。敵を知れば、対策を打つことができます。「空気中の数字を見る限り、いま、福島から新たに放射性物質が飛んできていることはない」と断言されました。「だから半そで、半ズボンで大丈夫」だそうです。そうした知識があれば、いたずらに恐れることはなくなります。もっと早く教えてくれれば、おろおろしないですんだのに、というのが、率直な私の感想です。
もちろん、被爆しないにこしたことはないので、食べ物は産地を選ぶこと、あまり雨にぬれず、水のたまったところなど放射性物質が集まりやすいところには行かないこと、福島がまた爆発しないかどうか情報には気をつけることが大事だといわれました。そこで、市議団も、市内の放射線量の測定を行うことにしました。10万円程度の線量計は、不正確になりやすいとのことで、野口さんの60万円もする機械をお借りして、1週間程度、あちこち測ることになりました。私の活動地域(菅、中野島、生田)は、6月26日(日)の午後、6箇所ほど計る予定です。できれば公園の砂場などを計ってみようと思います。
解決の道はただひとつ。福島原発の収束です。毎日の報道は、いらいらするばかり。早く収めて欲しい。そしてもう原発に頼るのをやめて、安全な方法で電気を作りましょう。