「かがやけお日さま みんなのつどい」は大入り満員でした
多摩区西生田1丁目、よみうりランド前駅の北側に広がる無粋な白い囲い。住民が強く反発しているトンデモナイマンション建設予定地です。この建設を食い止める世論を大きく作ろうと、趣向を凝らしたつどいが開かれました。その名も「かがやけお日さま みんなのつどい」です。
高さ10メートルを超える建物は、その北側に日影を1日3時間以上つくってはならない、という決まりがありますが、1センチでも低ければ、どんなに日影ができてもかまわない。そういう理屈でこのマンションは、なんと高さ9・98メートル!建物の幅が60メートルもあるため、本当に高い塀がそびえたつような感じになります。これは、あまりにもひどいと議会でも大問題になりました。住民の方は建築差し止めの仮処分を求める裁判と、建築確認は違法であるという建築審査会の請求を同時に行っています。しかし裁判が必ず勝てるという保証はなく、住民の中で団結をたかめようと、この集いの開催になりました。
雨が降ってきて人が集まるんだろうかと本当に心配していましたが、会場が一杯になる70名近くが参加。裁判と建築審査会の代理人となっている3人の弁護士さんがわざわざ来てくれ、今の状況をわかり安く説明してくれました。神楽坂で事務所を開いていて、広島県の世界文化遺産の鞆の浦をぶち壊して橋を作るのをやめさせるという裁判で勝利に導いた、建築の裁判の世界では第1人者の日置雅晴弁護士は、「欧米では、周辺の住民が建てては困るという建物は建てない、というのが常識だが、日本では基本的には自分の土地には何を建ててもかまわないというのが法律の体系になっている。それがいやだというときは裁判をやったり、住民運動をしなければならないというのが日本の現実」「しかし、そういう声を上げてきたからこそ、いくつもの規制が行われるようになっている。皆さんの運動はたいへんだが決してムダではない」「原発の再稼動反対という声も、あんなにあがりはじめました。おかしいことはおかしいということが大事です。いっしょにがんばりましょう」と、本当に嬉しくなるコメントをしてくださいました。
難しい運動をしていて、心が乾いてきた私たちにとって、本当にいやしになったのが、第2部の、マリンバの演奏でした。荒瀬順子さんというマリンバ奏者が村田恵さんというお弟子さんと一緒に2人で1台のマリンバを弾くという珍しい編成です。実は荒瀬さん、この西生田4丁目から山を登ったところの麻生区多摩美に在住する地元の演奏家。多摩美のみどりを守る運動で頑張り、すばらしい成果をあげた地域の皆さんのお一人です。この西生田の運動にもこころから共感してくださり、その思いを込めた曲も演奏してくれました。何よりも、マリンバの音はこころをはずませ、たいへんだなあ、と落ち込んでいく気持ちを浮き立たせてくれ、このつどいの目的をしっかり果してくれました。
たたかいは、いよいよ正念場です。この裁判と建築審査会のゆくえいかんでは、工事がはじまってしまいます。「おかしいことはおかしい」といい続けることが道を切り開くと確信しています。その力を与えてくれたつどいでした。ほんとによかった。