社会保障とは何か学びました
共産党の川崎市議団で「脱貧困の社会保障」というテーマの講演会を開催しました。講師は立命館大学の唐鎌直義先生です。
サブタイトルが「『本当に困っている人を助ける福祉』は本当に困っている人が受けられない」。生活保護バッシングによって「税金出すんだから、ばらまくな」みたいな雰囲気が作られていて、そう言う人たちはたいがい「本当に困っている人には出すべきだけど…」と言います。でも、唐鎌先生は『それは社会保障ではない」と言います。
誰でも病気になり、歳をとる。日本は医療も年金も保険料が高くて納められないし、病院に行けば3割、年金では暮らせない。雇用保険も不十分。いつ貧困におちいるかわからない国です。この部分も良くせず、みんなガマンして、最後の最後に生活保護を受けに行くしかなくなる。しかし生活保護を差別的に喧伝し、「福祉にお世話になるのは恥ずかしい、いやだ」という雰囲気を作っています。「本当に困った人」は立ち往生してしまう国ではないか、と唐鎌先生は指摘しました。
唐鎌先生は、社会保障は「普通の人が普通のときに普通に受けられる」ことが大事だと言うのです。唐鎌さんが研究されているイギリスでは、国民は医療は原則無料だそうです。NHSという制度で、全て税金。この方が早期治療になって、他の国よりも医療費の総額が少なくなるというのです。介護も無料。年金も出るので老後のために貯蓄をする必要がなく、お金は消費に回せる。イギリスもサッチャー政権でかなり有料化などされましたが、基本的には「国民を貧困にさせない」というコンセンサスがあるといいます。GDPが世界で2,3位を争う日本ができないはずがない。いまの社会保障は異常だと、唐鎌先生は力説されました。
「福祉の増進」が任務である自治体がやるべきことはたくさんある、と思いました。