1月から給食が始まる中野島中学校を視察しました
いよいよ川崎市も中学校給食が始まります。すでに2校で試行実施されていますが、来月1月から自校方式の2つの学校が加わり本格実施に。その1校である、地元の中野島中学校に行ってきました。この4校以外は、3つ作る給食センターからの配送になりますが、そういう学校との違いが浮き彫りになりました。
校庭に2階建ての給食室が完成しています。消毒が終わっているので一般人は入れないため、写真で説明を受けました。敷地面積約300㎡。懸案の桜の木も切らずにすみ、テニスコートも減らさずに建てることができました。狭くなった分、設備には工夫が必要でしたが、最新鋭の機材でおさまっています。一日に作る給食は約870食。業者に委託し、一日13人の調理員が働くことになります。献立は4校が統一献立で、1月からの献立はすでに川崎市のホームページに出ています。
実は中学校給食で一番の懸念は、だれがどうやって3階や4階の教室まで運ぶのか、ということです。センターから給食が運ばれる学校は、1階に作る配膳室に2名の配膳員が配置されるだけで基本的には生徒がえっちらおっちら教室まで運ぶということになっていました。しかし、いっせいに10数クラスの生徒がやってきて、安全に運べるのか、いい工夫はないのか、どの学校も大変困っています。昨年度は議会で、「エレベーターを使えばいいではないか」と散々追及したのですが、教育委員会はがんとして、「エレベーターは使わない」としてきました。
ところがどうでしょう。中野島中では、13人の調理員さんがエレベーターを使って、エレベーター横に作った配膳室(空き教室一つ分)に各階の食材や食器を運んでくれ、生徒はその階の廊下を教室まで運べばいいのだそうです。各階に配膳室をつくるのもほかの学校にはないことです。
もうひとつ。この自校方式の学校にはそれぞれ一人ずつ栄養士が配置されます。センター方式の学校には全市で数人のみ。中野島中に配置された栄養士の先生は、さっそく作られた給食委員会の生徒とともに、給食室を案内するDVDを作成しました。生徒が給食室の施設を説明します。大きなフライヤーのまえで、「これがフライなどをつくるフライヤーです。さっそくきなこパンをこれで作るそうです」と説明する生徒の、なんと嬉しそうな顔。調べたら1月24日がきなこパンでした。中学生の給食は平均して一日820キロカロリーになるよう献立が作られています。これだけのカロリーと栄養をなぜ取るのか、どうとるのか、生きた教材を目の前に食育ができる。それを専門に行う職員がいるというのは、子どもたちの成長に大きな影響があると思います。
でもそういう栄養士の先生が中野島中にいて、隣の学校にはいないというのは、どう考えても不公平です。中野島中の生徒たちのうれしそうな顔をみるのは、私もうれしいですが、とても複雑な思いに駆られました。中野島にできてほかの学校にできないわけはないと思います。すべての学校に給食室をすぐ作るわけにはいきませんが、やはり、様々なチャンスをとらえて、中野島中の良さを各学校に広げる努力をしていきたいと思います。