委員会視察2日目は名古屋。環境問題を学ぶ施設と下水処理場
環境委員会の視察の2日目。名古屋市で「エコパルなごや」と「露橋水処理センター」を視察しました。
「エコパルなごや」は名古屋市が設置した、環境問題全般について学べる学習センター。川崎市にこういう総合的な施設はありません。名古屋でも起きた公害を後世に伝え繰り返さない、ごみの減量化、資源のリサイクルの普及、生物多様性の保全、低炭素による地球温暖化の防止など、環境問題といってもたくさんの課題を、主に小中学生がわかりやすく1か所で学ぶようにするということです。それぞれの課題に取り組んでいる組織や施設はほかにもあるようですが、4年生がごみの問題で、5年生が公害の学習でここにくればわかりやすく学べる、と言う風に利用されています。
土日などには家族連れなどが個人でも利用できるようにプログラムを組んで、ペットボトルでキーホルダーを作るなどのワークショップも行われています。大型スクリーンを設置して、タブレットでクイズに参加できるようなプログラムも用意されています。私たちもタブレットをもって、地球温暖化の原因は?というクイズに挑戦。正解してゆるキャラのコパ君に褒めてもらいました。
川崎市にも、環境問題を学ぶ施設はいくつもありますが、それぞれバラバラになっていて、特に環境をテーマにワークショップや学習会を夏休みなどに行っているのは、殿町の環境総合研究所で、川崎駅からバスで30分という立地です。在り方を考えてみたいと思いました。
エコパルなごやには、名古屋の大気汚染公害裁判の記録も展示されており、原告が語り部となって後世に語り継ぐというコーナーがありました。2日続けて、自分の町の郊外の歴史とどう向き合うか、について考えさせられました。こちらでは患者さん本人に語り部になってもらって子どもたちにぜんそくのつらさ、公害を繰り返さないための思いなどを語ってもらっており、その映像も見ることができます。「二度とこんな苦しみを子どもたちにおわせてはならないとがんばった」という言葉は、川崎の患者さんたちとも共通する思いです。川崎でもやはりこれは展示させなければならないと思いました。
露橋水処理センターは、最近完成したばかりの下水の高度処理施設です。高度ということでほんとにきれいな水に処理できるのですが、その主役は微生物。微生物によってリンと窒素を分解して浄化した水の一部は、大きなビルの地下に送られて、冷暖房の熱源になるそうです。川崎の下水処理にも微生物が頑張っています。様々な技術があっておもしろいものだなあ、と、見てきました。
視察に行くと、必ず学ぶことが多く、これを何とか川崎市に活かしたいと思います。今回の視察もその思いを強くして帰ってきたのでした。