井口まみ
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九州2日目は福岡市の視察です

福岡市では夜間保育と「性的マイノリティの支援」の視察です。

夜間保育園は矛盾が深い

IMG_0227[1]午前中は夜間保育をやっている認可のどろんこ保育園。NHKの「72時間」という番組で放映されたところです。

昨日もここも社会福祉法人の理事長さんが熱い!「必要な人がいるならやるしかない」と事業を広げてきました。無認可の夜間保育を始めて40年。いまは深夜2時まで保育しています。その時間までいる子どもは10人くらい。夜の仕事をやっているシングルマザーなどももちろんいるのですが、理事長は「サラリーマンやマスコミ関係の人も多く、待機が増えている。まだまだ入りたい人がたくさんいる」と言われます。川崎市もきっとたくさんいるはずですが、ひとつしかありません。行政の支援が足りないためです。

IMG_0228[1]保育の内容もおもしろい。一人ひとりの子どもの自主性を重んじた保育をていねいにやっています。楽しそうに遊んでいる子どもたちの。保育園が大好きなんだなぁとよーくわかります。

しかし、本当は親も子も早く家に帰ってゆっくりご飯を食べて、しっかり眠るべき。理事長さんもそう力説します。それができないから保育園も必要になる。働き過ぎのこの社会をなんとかしないと、子育てのしにくい状態は変わりません。その取り組みも一緒にやらないといけません。

性的マイノリティに関する支援方針

福岡市二つ目の視察は、市役所で、「性的マイノリティに関する支援方針」です。この4月から施行されている、市の要綱です。

政令市2番目に始まったパートナーシップ宣言制度は、3ヶ月で22組が宣言したそうです。これで戸籍上の配偶者でなくても、市営住宅に申し込め、市立病院での診察内容の説明をうけたり、手術の同意もできるようになります。他都市と違うのは、同性カップルだけでなく、異性カップルでも宣言できること。性自認や性的指向はほんとうに多様なので、いろんなケースがあることは、私もようやくわかってきたのですが、いろんなカップルに対応しようという配慮です。

この要綱は、福岡市が議会や当事者団体から要望を受け、支援に取り組もうと決めた時、まずその立場を宣言することが大事だと考えたことから作られたと言われます。その上で相談事業や交流事業を具体化しますが、どれも、当事者団体とよく話し合ってきたとのこと。成果はこれから現れることでしょう。

学校の取り組みも教えていただきました。人権問題の5.6年生の副読本で、今年パートナーシップ宣言の第1号となった方の手記と結婚式の写真を載せています。すでに4年前から載せており、今年からは必修項目にしているということです。

全ての先生が正しく指導できるようになるために、全員研修で当事者の講演を聞いたり、各学校で研修を行い、ていねいな対応ができるようにしているそうです。

性自認や性的指向でなんらかの悩みを持っている人は7人の1人と言われています。決して少数ではないのに、人に言えず、一人で苦しんでいる人が多いのだろうと思うにつけ、行政ができることはなんでもしなければ、と思います。まず、「支援します」と市自身が宣言しなければ。求め続けます。