井口まみ
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「重度の障がいがあっても地域で暮らせる街をつくろう」–映画とお話の会を開催

11・2団学習会障がい「重度の障がいがあっても地域で暮らせる街をつくろう」というテーマで、日本共産党川崎市議団が映画とお話の会を開催しました。

上映した映画は「道草」。自閉症と知的障がいを併せ持つ青年が一人暮らしをできるように支援する団体が東京にあります。その日々の暮らしと支援する人たちや家族の思いをつづったドキュメンタリーです。自傷他害行為もある青年たちですが、24時間、そのおもいに寄り添って支援する姿に圧倒されました。

お話は、川崎市宮前区で重度障がい者のグループホームを作ったNPO法人の松澤美也さん。このグループホーム「なかよしの家」は市の重度障がい者向け補助金第1号で、建てるのにもいろんなご苦労がありました。松澤さんは、「親がいなくなっても幸せに生きていけるようにと、様々なことにとりくんできた」と、26歳になった重度障がいの娘さんと歩んできた道を語りました。

どちらにも共通して私の胸に迫ったのは、「重度障がいがあるからと、部屋に閉じ込めておくことはできない。やりたいことをやれるようにするのが当たり前」という思いでした。松澤さんの娘さんは私の娘と保育園の同級生です。一日中親といっしょにいる年齢ではありません。親しい人たちの輪の中でとびっきりの笑顔で過ごすことが当たり前です。自閉症だから、大きな声を出すから、電車に乗ってはいけないなんて、おかしい。その当たり前のことを当たり前にするのがむずかしい今の日本の中で、一生懸命取り組んでいる人たちがいるのです。

重度障がい者を支援するには、いまの障害者福祉の仕組みの中では、24時間のヘルパーさんなど、とても人件費を出せるような報酬がありません。「なかよしの家」では、様々なサービスを組み合わせて何とか職員を配置していますが、赤字覚悟で運営しているそうです。これは政治の問題です。私たちに課題を突き付けられていると思いました。

あまり宣伝もできなかったのに、70人以上の方に来ていただきました。多くがご家族に障がい者がおられる方、施設で支援されている方たちなどでした。終わったあと、具体的な要望を切々と訴えてこられる方とお話ししました。そんな皆さんの思いをかなえるためにがんばらなくては、と決意を新たにしました。

IMG_1947もう一つ学んだことがあります。この「道草」という映画には、音声ガイドがあって、目の不自由な方も、FM電波で流すガイドを聞いていれば一緒に見ることができます。それを体験できました。東京の北区田端というところに「シネマ チュプキ(cinema Chupki)」という、寄付だけで作ったバリアフリーの映画館があって、音声ガイドや日本語字幕付きの映画を上映しているのだそうです。そこで使っているイヤホンを貸していただいて、私も聞きながら鑑賞しました。元の音声を邪魔せず、実に上手に情景を解説しています。途中で音声を聞かずに見ようとしましたが、なんだかもったいなくて全部聞いてしまいました。

いろんなところで、いろんな支援があって、草の根で障がい者を支えているんだなあ、と感動した時間でした。