井口まみ
井口まみ井口まみ

市民の声が法律の施行規則をかえたー「法定相続情報証明制度」に関して

「法定相続情報証明制度」をご存じですか。2018年5月から始まっています。相続には戸籍謄本が何通も必要で、その度に戸籍謄本を取り直し、その束を積み上げなければなりません。この制度を使い登記所で証明書を発行してもらうと、1枚で相続手続きができるというのです。銀行では結構使えるそうです。

昨年、2019年1月、地元の行政書士の方から「食品衛生法の施行規則では、飲食店の相続の手続きに必要な書類が『戸籍謄本』としか書いてないので『法定相続情報証明制度』が使えない。施行規則を変えて欲しい」という相談があり、3月、畑野君枝衆院議員にお願いして厚労省に直接要望しました。法務省はこの制度を積極的に使うよう通達を出しており、それを伝えると、前向きに検討する、と言われたものの「施行規則を変えることはたいへんなので、何か大きな改正の時に行う」と言われ、そのままになっていました。

IMG_0619先日、畑野議員から「厚労省が『施行規則を変えたので説明に行きたい』と言っている。同席しないか」と連絡があり、あの時の行政書士さんに連絡して、勇んで国会に行ってきました。厚労省の医薬・生活衛生局で法令を担当している職員が来て、この局が所管している法律の中で、相続の時に「戸籍謄本」だけを条件にしている法律すべての施行規則を変えたことを説明されました。食品衛生法、公衆浴場法、旅館業法、クリーニング業法、理容師法、美容師法、の6法です。ほかにも変更する部分があったので一緒に行ったようですが、施行期日は今年12月15日です。

最初に依頼をされた行政書士の小松昇さんは「自分一人の声が国の法令を変えたなんて信じられない。小さな声も上げてみるものだ」と感激しておられましたが、私も同感です。もともとこの制度は厚労省では全く知られておらず、声を上げなければ動かないものでした。

今回は要請を行った局のみだったので、厚労省全体での見直しではありませんでした。省全体では大変な数になるようなので、ぜひ各局にこのことをお知らせしてもらうようお願いしました。小松さんのお話では、建設業など違う省庁の所管の法律にもまだこの問題は波及するそうで、まだこれからですが、地元の願いを国会につなげる私の役目は果たせました。