井口まみ
井口まみ井口まみ

奨学金問題の講演会を行いました

やっと代表質問が終わったので、遅くなりましたが、12月1日に川崎市議団が主催した学習会の内容をお伝えしたいと思います。私にとっては衝撃的だったので、反省の気持ちを込めて。

12月1日、「奨学金問題から見えてくる貧困と格差 ~自治体に何ができるか~」。講師は武蔵大学教授の大内裕和先生です。奨学金問題対策全国会議」の共同代表として全国で講演を行い、問題意識の共有をしてほしいと訴えられています。埼玉で講演をされたのを偶然見つけお願いしたら、快く駆けつけてくださいました。

学生の3分の1は有利子の奨学金を借りており、大学を出た段階で数百万円の借金を返済しなければならないというのは大変だ、という認識はありました。しかし学生の時からの実態、その後の実態を本当につかんでいたかといえば、想像の範囲で、実際にはそれをはるかに超えるたいへんな実態だということに思いが至らなかった。知る機会もなかった、ということに衝撃を受けているのです。

今の学生の親はちょうど私の子どもたちより少し上、ちょうど就職氷河期の世代です。非正規のまま家庭を持っている人たちも多いし、正規でもかつてのように年齢が上がれば給料が上がる時代ではありません。またその世代のころは国立大学の学費は月に千円とか、私でも月1万7千円。下宿代は3万円したかどうか。ちょっとバイトすればサークルの費用も十分出せました。いまは、親からの仕送りや学費は当てにできず、全部自分で出さなければならない学生が圧倒的に多い。かといって、高卒で就職できる職場は数そのものがなく、なんとしても進学しないと生きていけない。ものすごい矛盾の中で、高学費と生活費そのものに悩まされている。先生はそんな実態を山ほど語り、ああ、確かにそうだよなあ。そうなのに、それを実感していなかったなあ。

学生と勉強会をして欧米などと比べたり、そもそも学ぶのは誰のためか、社会のためではないのかということを学ぶと学生たちは本当に変わっていくそうです。ここで大事なのは、学ぶ場所に来るのも困難だということ。大内先生は、学生を集めるのに交通費はすべて無料にするそうです。120円の地下鉄代も出したら生活に困るから。ましてバイトを休んだら生きていけないから、参加できないことをとがめない。ひたすら信頼関係を築くことに努力するそうです。大内先生と話したら生きていける気がする。そういう信頼関係が大事だと。

この講演会も中原区で開催しましたが、中原区には大学もないので、興味を持ってもらったとしても参加できないよなあ。大学のそばで開催すべきだったんだなあ。そんなことから配慮が足りなかった。ものすごく反省しました。また何らかの形で学生の皆さんと交流できたらと思います。まずは皆さんの話を聞くところから。私たちも学んでいきたいと思った講演会でした。